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[2022/05/20] 市議は地域を変えることができるのか。 /

令和4/皇紀2682年4月20日 大安 | 2022/05/20 10:38 更新
現在、4年に一度の鴨川市議会議員選挙が行なわれている。
先週15日に告示され、18名定員の枠に21名が立候補した。
不幸なことに、前期に現職が2名も亡くなったこともあり、また、今回の選挙で勇退する市議もいることから、新人が7人も立候補し、最終的には3名が落選するという、鴨川市議会議員選挙においては近年稀に見る激戦、特異な市議選と言って良いだろう。

私の先輩や知人も多く立候補している。
だからこそ、地方の選挙はホントに難しい。
みな知り合い。また、神職という立場で言えば、氏子さんであったりする。
特定の候補者に肩入れすることなんてできないし、私はあくまで中立的な立場で静観している。

実は、私も選挙が近づく度に、今度は出るんですか!?と言われることがある。
県議選、市長選、市議選、、、
でも、私は一度も出馬したことはないし、たぶん、一生出ることはないだろう。
私は政治家には向いていないと自認している。
政治家になるなら、まちづくりの現場で一生汗をかき続けたいと思っている。
例えば、市長になれば、市をある程度動かしていくことはできるかもしれない。
しかしながら、それ以上にしがらみも複雑に絡み合い、雁字搦めにされて、ストレスの方が多く、結局なにもできないような気がする。そもそも、そんな時間を費やすほど、自分の性格は寛容ではない。


ただ、自分が仮に政治家になったら、ということを考えることもある。
そんな時、思うのは、市長になったとして、市議になったとして、本当に地域を変えることができるのか、という大いなる疑問である。

今回の市議選でも、候補者はみな、「鴨川の未来を…」「鴨川市を変える」「鴨川を売り込んでいく」といったキャッチフレーズを使って、自身のビジョンや政策をアピールしている。

マウントを取るわけではないが、そんな中で、果たして議員の本来の最も大切な役割を認識している市議がどれだけいるのか、と思う。
市議の役割はなんなのか。
候補者のみなさんに問うてみたい。
ある人は「行政をしっかりチェックすること」
ある人は「市民の声を市政に届かせること」
ある人は「鴨川の宣伝マンとしてPRすること」
おそらく、十人十色な答えは返ってくるであろう。

それぞれの答えは間違ってはいないとは思うが、だが、議員の一番の役割ではないと思う。

私の答えはシンプルで、それはみな、中学の社会科で習っている。
日本は三権分立の社会であり、三権とは立法・行政・司法である。
その三権の中でも最も重要で、社会の基とされるものが立法である。
社会の基盤となるルールをつくる、それが立法権である。
それを許されているのが議会なのである。
国であれば国会、県であれば県議会、市であれば市議会なのだ。
つまり、議員には社会のルールを制定することができるという、強大な権限が与えられているのである。立てられた法令・条例にしたがって、行政は運営され、法に抵触したり係争事案が起こった場合は司法が判断するというわけだ。

議員立法ということばがあるが、果たして鴨川市を含む、いまの地方議会で議員が自ら条例案を提案し、成立させているという事例がどれだけあるのだろうか。
少なくとも私はそんな事例はほとんど聞かない。
鴨川市においても、市議は行政に質問するばかりで、建設的かつ具体的、実効性のある市政を推進するために、議員自ら条例を提案し、制定したことなどほとんどないのではないか。条例案はほとんどが行政側から提案されているのではないだろうか。

このところ、ここ数年、取り組んでいる地域スポーツコミッション「ウェルネスポーツ鴨川」の現況について、この日記でも強い口調で述べているわけだが、市議の中には「ウェルネスポーツ鴨川のやっていることはよくわからない」といった批判をする人もいるそうだ。
いやいや、推進委員会は公開で行なわれ、その度に、市議全員に案内を送っているし、開催後には詳しい報告書もスポーツ振興課を通じてお送りしている。しかし、出席する市議は毎回数名。ウェルスポが展開する事業に見学に来てくれている市議も数名。
見に来ない、足を運ばない市議に限って、「なにをやってるかわからない。報告しろ」みたいなことを言ってくる。

はっきり言おう、我々は、市長のため、とか、市議のため、とか、そういう方向を向いて事業を展開しているのではない。
あくまでも、地域を向き、市民を向き、事業を企画・実施している。
多くの市民に知ってもらうため、年に数回、ウェルスポの活動をわかりやすくまとめた「ウェルスポ通信」を市内の小中学校、全ての児童・生徒に配布している。この配布を通じて、子どもたちはもちろん、保護者の中ではウェルスポのことはかなり認知されている。

地域おこし隊の玉木くんを中心に展開しているキッズ向けの「放課後マルチスポーツ教室」は当初鴨川市文化体育館の1ヶ所での開催であったが、長狭地区の保護者から、うちの地区でも実施してほしい、子どもたちは集める、という声をいただき、増設した。
今年の4月から小湊さとうみ学校を会場とするコースも開校し、徐々にではあるが、参加者は増加していっている。さらに、参加した子どもたちが運動が好きになり、なんと運動とは無縁だった子どもが校内マラソン大会で優勝してしまう、といった驚くべき結果も出ている。
そのお母さんは涙を流しながら、玉木くんに感謝のことばを伝えていた。

市議にいちいち報告する時間など、予算も人数も、そして時間も限られた中でもつことなんてできないし、それなら、市議から率先して見学し、あるいは参加してほしいと思う。
そもそも、それが市議の仕事の一つではないのか。

ウェルスポなにやってんだ、鴨川市はなにやってんだ、スポーツ振興課は!?と詰問する前にやるべきことはあるのではないか。
むしろこうした活動をサポートするために、まちづくりを支援する条例を制定するとか、あるいは鴨川市の以前からの課題と私は考える、こうした公益団体への行政職員の派遣や出向を条例で認めるようにするとか。そういうあくまでも建設的な、民間でがんばって推進している公益性の高い事業の追い風になるような政策を市に提案し、実現させるべきではないだろうか。


この瞬間、地域を変えている、あるいは地域を未来につないでいるのは、市長でも、行政でも、市議でもない。
日々の仕事、学業を黙々と積み重ねている市民一人ひとりなのだ。
彼らがまさに地域を変えている、未来に地域をつないでいく担い手そのものであり、市長や行政、市議は、市民の前向きな取り組みを後押しする立場なのだ。
こうして、標題の問いである「市議は地域を変える」ことができる。


あと2日で投票日を迎え、次の4年間、鴨川市議会を担う市議18名が選ばれる。

ある市議の方も自省の意味を込めて、SNSに記されていたが、市議の方々は当選した後がその本質を問われる。
「市議」「先生」という肩書、ことばにおごることなく、選挙戦以上に、現場に足を運び、声を聴くだけでなく、一生に行動し、前向きな市民の営み、活動を後方支援するような議会運営をぜひお願いしたいところだ。

正直に告白するとすれば、私は「政治家」も「選挙」も嫌いだ。
「選挙」は人の人生を狂わせる。
その時は応援していた人たちが、選挙後、手のひらを返すようなことはよくある。
私もその姿を幾度も目にしてきた。
「政治家」は間違うと「政治屋」になる。
勘違いをはじめてしまう議員も残念ながら少なくない。
政治屋として、政治家の立場にしがみつくようになったらおしまいだ。

そんなこともあり、私は政治家になりたくないし、選挙にも一切関わらないと決めている。

その代わり、私は現場でひたむきに活動を続けていく。
それが性に合っているし、自分の使命だと思う。


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いつも私の拙い日記にお付き合い、ありがとうございます。
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