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[2017/10/29] なでしこの未来 /

平成29/皇紀2677年9月10日 赤口 | 2021/07/29 17:21 更新
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未来のなでしこを背負うU-19、いわゆるヤングなでしこがアジア選手権を制覇し、来年のU-19W杯への切符を手にした。
2015年W杯カナダ大会準優勝以降、フル代表の成績はなかなか振るわず、リオ五輪の出場権の獲得失敗、さらになでしこリーグの観客数低迷と未来に暗雲の立ち込めてきていた日本の女子サッカー界にとっては久々に未来に向けた明るい話題と言えるだろう。
優勝メンバーの中にオルカ鴨川FCから選出された村岡真実選手もおり、優勝の瞬間をピッチで迎えたことも嬉しいニュースである。


しかし、ほぼ時を同じくして、残念なニュースがリリースされた。

福岡・J・アンクラスがチャレンジリーグから退会するというのだ。
http://anclas.jp/info/cl2017/

リリースによれば、同クラブの財務・経営状況が原因らしく、リーグ理事会で自主退会を勧告され、それを受け入れ、退会することになったのだという。

私も昨シーズンまでオルカからリーグ理事として理事会にも参加していた(今シーズンはリーグ組織の機構改変により、実行委員として実行委員会に出席している)のだが、リーグ理事会でこのような厳しい勧告がなされるというのは余程の状況であり、おそらくはクラブの置かれた状況も深刻なものがあったのだろう。
ただ、当事者でもないし、理事会の場にいたわけでもないので、憶測による、やたらなことはもちろん述べられない。

アンクラスと言えば、以前はなでしこ1部に参戦していた女子サッカー界においても歴史ある名門クラブであり、また、昨シーズンまでオルカに所属していた選手たちも移籍したクラブだけに心配でもあるし、残念でもあるし、このニュースを受け止める気持ちは複雑である。


この衝撃的なニュースに直面して、いろいろなことを考えた。

これは1クラブの問題でもあるが、と同時に、1クラブの問題ではなくリーグ全体、女子サッカー界全体の問題であるとも思う。
なんだかよくわからない言い回しであるが、それくらいさまざまな面で女子サッカー界が抱える問題が如実に現れた事象であろう。

なでしこリーグに参入するためには、予選大会や入替戦、リーグ戦の順位など強化的にチームとして一定の成績を収める必要があるが、それ以外にクラブの経営基盤についても厳しい審査が行われる。
クラブを長期にわたって継続していける確固たる財務・経営基盤は特に重視されるポイントでもある。
我々オルカも2年前チャレンジリーグへの参入に当たっては、分厚い申請ドキュメントを作成し、リーグのヒアリングも受け、チャレンジリーグ入替戦予選大会への参加が認められた。
もちろん、書類審査やヒアリングで落とされるクラブもある。
つまり、チームが強いだけではなでしこリーグに参入できないのだ。クラブとしてしっかりとした運営体制、試合・トレーニングを行うための施設要件、地域との関わり、行政の支援などが整っていなければならない。
それだけの覚悟と実行力がリーグに参画するクラブには求められるのである。

したがって、リーグは参入時のみならず、参入後も各クラブに対して努力を求め、ややもすれば今回のアンクラスのようなケースになることもあるわけである。
これはある意味至極真っ当なことではあろう。

私もまずはなでしこリーグに参画しているクラブが、女子サッカー、リーグ、クラブ、選手……の価値を高めていく、追求していく努力をひたむきに続けていかなければならないと思う。
そんな気持ちでクラブ運営にも向き合ってきたつもりだ。

言いにくいことではあるし、自戒の意味も込めてあえて述べるが、果たしてなでしこリーグのクラブの中に、その意識を持ち、考え、行動しているクラブがどれくらいあるのか。
残念ながら、私は疑問をもたざるを得ない。


ただ、他方でリーグも考えるべきところも多いと思う。
果たして、リーグは現在のようなスタンスで良いのか。
それも考え直さなければならない。

なかなかうまく表現できないが、端的に言って、女子サッカー界はまだまだスポーツそのものでは「食えていない」わけであり、置かれている状況はJリーグやプロ野球とは全く異なる。
むしろそれらのメジャーなリーグと同じ考え方で運営しても決してうまくいくことはないと思う。

なでしこリーグ、さらには女子サッカー界は自分たちが置かれている状況をしっかりと見つめ、未来のイメージ、ビジョンをリーグもクラブも共有し、それぞれがやるべきことを考え、実行すべきだ。
そうでなければ、女子サッカー、なでしこの未来はあり得ないと言って良い。
女子サッカーには、なでしこリーグには、必ず「ならでは」のアプローチがあるはずだ。


今回のニュースを単なる1クラブの問題として片付けるのは簡単である。
しかし、女子サッカーに関わる人たちが当事者意識をもたず、問題の本質を見つめない限り、同じことは繰り返されるだろう。

再度申し上げるが、ミクロ的に見れば1クラブの問題かもしれない。
しかし、マクロ的に見れば、女子サッカー界全体の問題である。
こういったことを再び起こさないために、各クラブの努力はもちろんのこと、JFAやリーグも含めて、みんなでもっともっと膝を突き合わせて本音で語り合い、あくまで建設的な議論の中で、それぞれが当事者意識をもち、もっともっと行動しなければならない。

我々が目指すべきなでしこの未来とは…?

全員で自問したい。


[WALK:-]



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おかげさまでこの日記(na.ni.nu)は [2001/10/10] パカッ! の記事以来、16年目を迎え、[2004/04/23] Wataruさんを囲む会 以降は毎日欠かさず記録してきました。(時々、かなりの連続投稿はありますが・笑)
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