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[2017/02/28] ヨーロッパ視察16日目 バルセロナ=ソシオ /

平成29/皇紀2677年2月2日 先負 | 2021/07/29 17:21 更新
案内してくださったバルセロナの施設管理担当(左)、広報(右)の方々
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バルセロナのトレーニング施設
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トレーニング施設内にある、女子も試合をするという天然芝ピッチ
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これが楽天になるらしい
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カンプ・ノウ
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サッカーを柱に、多種目展開するバルセロナのクラブ
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ファンショップ。ナイキのお店で世界一の売上らしい
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カンプ・ノウの前にはファンショップなど、いろいろなお店が日常展開している
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カンプ・ノウにあるスケートリンク(年中営業)
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ホテルの部屋。なかなか快適
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シッチェスもカーニバル
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海沿いのエリアへ
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ヨーロッパ視察も今日を含めてあと3日。
今日は後半の最大の山場。
FCバルセロナのクラブ訪問の日を迎えた。

正午、松岡さんがわざわざ車でホテルまで迎えに来てくれ、ホテルを出発。
松岡さんとお会いするのは実に12年ぶりになるだろうか。
車内で近況報告など、いろいろな話に花が咲く。
松岡さんのお子さんもだいぶ大きくなり、長男はスペイン陸上界のホープになりつつある。ジュニアの世界選手権にも走り幅跳びのスペイン代表として出場しているくらいだ。東京五輪も夢じゃない。
次男は卓球に力を入れ、こちらもジュニアの代表クラス。
将来が楽しみだ☆

バルセロナ市内の、松岡さんおすすめのイタリア料理のお店でランチをとった後、いよいよFCバルセロナのクラブを訪問した。

今日は施設管理と広報の方が対応してくれ、バルサがもつ、トレーニング施設を実際に見せていただきながら、お話しさせていただくことができた。
トレーニング施設!さすがは世界一のクラブ。
行政の援助は一切借りず、クラブが自分で土地を取得し、建設した実に3,000平米の敷地に展開する充実した施設。

サッカーコートは天然芝、人工芝あわせてフルピッチが8面、ジュニアサイズが1面。全てにもちろん照明がつき、さらに囲みもされ、各カテゴリーの選手たちがそれぞれのピッチに分かれて練習、あるいは試合ができるようになっている。
各ピッチ脇にはクラブハウスがあり、各カテゴリーのロッカールームや会議室、ビデオルーム、ジム、リハビリ設備などが完備されている。

ジュニアカテゴリーが使うロッカールームを見せていただいたが、シャワーも人数分あり、きれいなトイレもあり、基本的にどのカテゴリーであろうと同じ環境が実現されているのだという。
ここにバルサのスピリッツの一端を感じる。全てのプレーヤーが基本的には平等なのだ。(もちろん、トップチームはセキュリティーの面などから、施設を区分けして使ってはいるが)

バルサはサッカーだけのクラブではなく、プロ化している種目としてはサッカーのほか、フットサル、バスケットボール、ハンドボール、ローラーホッケーなど。
その他の種目はアマチュアチームではあるが、バルサの中に存在していて、全選手でなんと1,300人いるのだとか!
このトレーニング施設を使用しているのは21チーム。週1,300時間のトレーニングが行われているのだという。

そのため、このトレーニング施設には、サッカー場のほか、フットサルなどができる屋内競技場、バスケットコートなどがある。
また、FIFA公認の専用のメディカルセンターも完備され、要は病院が施設内に存在しているのだ。中には診察室、レントゲン検査室、メディカルチェック室、リハビリ室(マッサージ、筋力、アイスバス等)などがある。
入団時、選手はここでメディカルチェックを受け、またアクシデントがあった場合はここで処置され、リハビリを行う。

クラブにおいてトップチームの選手は厳格にコントロールされており、敷地内にはTVスタジオもあり、バルサTVの収録やCMの撮影などは全てそこで完結するようになっている。
トップ選手はクラブの活動をする限りにおいては、外に出ないような仕組みになっている。

また、ジュニアの寮「LA MASIA」もある。
9階建ての立派な建物。
1回の共用空間にはTV観戦スペースやバーベキューガーデンなどもある。(TVゲームの部屋は週末のみ開放・笑)
現在世界中から集まった86人の子どもたちがサッカーをはじめとする、競技を学んでいるそうだが、いわゆる「文武両道」をモットーとし、学校で落第するようなことがあればスポーツはできなくなるのだという。(スペインには小学校でも落第、留年がある)

そんな充実した施設に、平日で委託職員なども含めて約750人、週末にもなれば、一般の来場も多いことから、1,000人を超える職員が働いているのだとか。
いやはや規模が違う。
(もっとも、ここにドイツ人のオーガナイズ能力が加わったら、何分の1の職員数でまわしちゃうだろうけど、これもラテンの国のファジーさなのではないだろうか)

約1時間ちょっとにわたり、忙しい中、懇切丁寧に説明してくださった。

最後にバルサのクラブについていくつか伺ってみた。

その中でもやはりソシオ制度というものがバルサの根幹をなしているということに気付かされた。
ソシオとは市民をはじめとする一般の人たちが負担金を出し合い、クラブを運営する仕組みで、特定のオーナーは存在しない。全てのソシオ会員がオーナーであり、その中からクラブ代表も選挙で極めて民主的に選ばれる。
ソシオとはファンではない。あくまでクラブの運営側なのだ。だからソシオ会員になることで「特典」をもらうなどという概念は存在しない。(バルサは年3万円弱の会費らしい)

ソシオというと約15万人の会員を抱えるバルサが世界的には有名なのだが、実はスペインのクラブは元々は全てソシオだった。(源流はイングランドにあると松岡さんは話していた。現にバルサはスイス人が創設者であり、創設当初はイングランドの選手が多かったらしい。だからそれに対抗して、地元でカタルーニャのクラブをつくったそうだ。現在はカタルーニャのクラブは存在しない)
ところが、ソシオだけだと経済的に運営できないクラブが出始め、国がサッカークラブを存続させるために、スポーツ株式会社化の施策をとり始める。ある一定の財政面などの基準を満たさなければ株式会社化を余儀なくされるというものだ。
しかし、バルサの場合は、俺たちのクラブを一部の大株主のものにしてたまるか!俺たちが守り、俺たちが支え、俺たちが運営していくんだ、という多くの人たちの思いにより、ソシオのままクラブ運営は存続され、現在ではバルサのほか、レアル・マドリード、アトレチコ・ビルバオだけがソシオのままクラブ運営がなされているそうである。

株式会社化されたクラブは案の定、私企業の巨大な資本が入り、クラブのアイデンティティが失われ、人々の愛着も薄れてしまうという残念な道をたどっているクラブも少なくないようだ。
現在、チャイナマネーがスペインリーグも席巻しはじめており、バルセロナにあるもう一つのクラブ、エスパニョールのオーナーも中国人となり、スペインではあわせて4つほどのクラブが中国資本傘下に入っているのだとか。

クラブ訪問を終えた後、松岡さんとお話しした中で、やはりクラブのアイデンティティを見失わないこと。
そこに市民の愛着があるのだから、オルかもそれがなにかということを大切にしていかないといけないよ、という話をされていた。

バルセロナの方の話はいくつも印象に残るフレーズがあったのだが、これだけバルセロナが世界的に大きなクラブになっていると見えるだろうが、しかし、それは(カタルーニャの)地域のクラブだから(ここまで展開できている)ということを強調していた。
クラブの運営はソシオによって方向付けがなされ、決定され、活動が展開されていく。

例えば、他の種目のチームをもとうとなれば、それはソシオからの提案であり、あとはそこでセクションがつくられ、そのセクションのやり方で新しい種目のチームが結成されたりするらしい。
ソシオがプレーヤーとしても参加でき、ソシオはクラブ関係者どころか、バルサの名誉を背負い、ユニフォームをまとって戦う選手にもなってしまうのである。
地域クラブという点で、このやり方は参考になるのではないか、と松岡さんもおっしゃっていた。

現にバルサのトップ選手の中にもソシオは存在するらしい。

トップチームの選手たちはクラブのよって厳格に管理されているという話をしたが、基本的にクラブに所属する選手という立場の時間においてはサッカー活動に専念しているが、例えば、クリスマスの時など、特別な時には奉仕や福祉活動も行うのだという。
一例として、バルサの財団、メッシの財団が協力して、小児病院を訪問して子どもたちを元気づけたり、また、バルサの選手契約の条項に契約金の0.7%をバルサの財団に寄付するというものがあるそうだ。

もう一つ驚く話がある。
バルサは背面にユニセフのスポンサーを入れているが、これはユニセフからスポンサーしてもらっているのではなく、逆にユニセフにバルサがスポンサーしている、その証として貴重なスポンサーの1枠を使ってユニフォームに表示しているのだという。
こんなことをやっているのは、世界でバルサだけでは?との話だった。
確かにそんな話、私はまだ聞いたことがない。

行政からも企業からも独立して、ソシオがオーナーとなって運営されているバルサのクラブ。
そこに長続きの秘訣があるような気がした。

規模は全く違えども、オルカでも参考になる考え方、やり方はいくつもある。
オルカが本当に「地域と共に」のクラブになっていくのであれば、果たしてどのようなクラブの運営をすべきなのだろう。
5年、10年先ではなく、50年、100年後を考えた時、日本、あるいは世界的にも主流の資本がものを言う、企業オーナー制のクラブ運営は果たして長続きするのだろうか。

最終的にはその土地に済む地域の人たちが、俺たちのクラブとして、ファンではなくオーナーとなり、関係者となり、多くの人の手でクラブが運営されていく、そういう仕組みこそが持続的にクラブを運営していく一つのかたちになるのではないだろうか。
日本では残念ながら、まだサッカーは文化として根づいていない。ヨーロッパとは全く違う状況である。したがって、いきなりソシオ制度を持ち込もうとしてもそのままでは無理だろう。日本の現況にあわせたアレンジが必要である。

しかしこのソシオ制度、実はどこかの制度に似ている。そう、日本の氏子組織の仕組みに非常に近いと思うのである。日本の神社の氏子総代の仕組みはまさに直接民主制そのものであり、神社は特定のものではなく、みんなのものであり、みんなを守ってくれる神様なのである。
この仕組みが日本ではバルサよりも遥か昔から続いているのである。

そこにあとはサッカーやスポーツ、あるいは他の新しい要素をどのように組み入れていくのか。
仕組み自体は日本人も実は同じようなものを伝統的にもってきて、いまでも生きているのだから、あとはそこにどうやって適応させていくか。
いやはや、やっぱり神職という立場も生きてくるではないか。

オルカが遠い未来を見据えやるべきこと。
やっぱりこのバルセロナで未来への扉が開き、一つの道が見えたような気がした。
それはヨーロッパの各国を旅し、肌で感じ、時に迷い、考えてきたからこそ、導き出された一つのビジョンでもある。

オルカは地域のクラブ、なんていうのは、100年早い。
いままでそれを豪語してきた自分が恥ずかしくなってしまった。
私は100年後を目指し、クラブ運営に当たりたい。
さあ、もうすぐにでも帰国しなきゃ!
やることはたくさんあるぞ!!


松岡さんとはほかにもいろいろと話しができた。
サッカー以外に神社の話も。

スペインでは若者を中心に、神道自体はだいぶ知られてきているのだという。
それはアニメやゲームのサブカルチャーがきっかけになったり、あるいは実際に日本に行ったりすることで広まっているようだ。
ただ、その理解は非常に表層的で本質には至っていない。

「岡野くん、ぜひスペインで神道の本質を彼らに伝えたらどう?布教は神道にはないけど、日本の文化、精神というものを伝えていくのは良いことなんだじゃないの?君の役割だよ。」

12年ぶりに再会した松岡さんに思わぬことばをいただいた。

バルセロナから近い、地中海に浮かぶマヨルカ島の東側にマオン島という島があり、そこはスペインで一番最初に日が昇る場所として有名なのだそうだ。
島自体磁場が強く、航空機はマオン島の上空は避けるという、パワーのある島でもある。
人口は3万人弱。
ん?どこかに似ていないか?
そう、鴨川にそっくりなところなのだ。さらに島のかたちも西の方に細く広がり、まさに鴨川市のかたちにも似ている。

来年は日本・スペイン交流150周年という記念の年らしく、もしその気があれば、神社神道もコラボレーションして、スペインの人たちに日本の古来の精神文化、神道を伝える場を設け、さらにマオン島と鴨川市の友好都市協定でも結んでしまおう、という仰天プランも飛び出した。(夢物語かもしれないけど、思い、語り、そして動けば、私は実現すると思う)

「岡野くんの神社にあるあの日の出のお守り、きっとその島にも通ずるものがあるよ。」

スペインへの渡航。今回限りでは終わらなそう。
やっぱりバルセロナからなのか。
カタルーニャからなのか。
今回の視察はサッカーのみならず、自分にとって新たな人生、そして、結局は神社にも回帰していく、一つのスタートになるような気がしてきた。


さて、クラブ訪問後は松岡さんと世界で一番売れているというナイキのショップ、カンプ・ノウにあるバルサのファンショップへ。
子どもたちにTシャツを購入。
明日夜、ここカンプ・ノウのホームゲームを観戦する。
観客の8割がソシオというのだから、もうめっちゃ楽しみ!!

夕方、松岡さんと分かれ、シッチェスのホテルへ列車で向かう。
英語と、スペイン語のわかる単語と、ジェスチャーで切符を買い、ホームを探し、列車に乗り、、、
無事シッチェスに到着。
列車ではワールド・モバイル・コングレスに訪れたと思われる日本人も乗っていた。

駅を降り立つと、海側の中心地へ。
すると、なんとシッチェスもカーニバルの真っ只中らしく、仮装している人や、パレードの後の紙吹雪など、、、街頭はごった返していた。
一通り街をめぐり、比較的落ち着いたレストランで食事。
ここのマスターや定員さんも良い人たちで、料理もおいしくいただき、一旦ホテルへ戻る。

ホテルでご主人と話をすると、1週間程度このカーニバルは行われてきて、今夜が最後の夜なのだとか。
夜9時から始まり、朝まで盛り上がるのだという。

これは天津のお祭り野郎としては血が騒ぐ!
突撃しなければ!と思い、部屋で準備していたのだが、夕食に飲んだお酒と疲れが一気に来たのか、気づくとベッドの上でパソコンを広げたまま寝てしまっていた。
起きたのは日付をまたいだ頃。
ここから繰り出してもまだ間に合うのだが、しかし、その元気もなく、、、撃沈!!!

天津のみなさん、男見せられず、ごめんなさい!!!

さあ、視察はあと2日。明日はバルサのホームゲーム!


[WALK:-]



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な・に・ぬ(na.ni.nu)について
いつも私の拙い日記にお付き合い、ありがとうございます。
おかげさまでこの日記(na.ni.nu)は [2001/10/10] パカッ! の記事以来、16年目を迎え、[2004/04/23] Wataruさんを囲む会 以降は毎日欠かさず記録してきました。(時々、かなりの連続投稿はありますが・笑)
その間、私の人生にもさまざまなことがありました。自分にとって、この日記は第一に自分自身が自分の歩みを忘れないようにするための記録であり、そのために各日記には一年前の同日の記事が表示されるようにもなっております。
いまさらながら、読者のみなさんにお願いがあります。この日記はあくまでも私の個人の活動記録であり、個人の見解が述べられています。したがって、私が所属する企業・団体・業界の公式的な記録や見解ではありませんので、この点ご理解の上、お付き合いください。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

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