[2025/05/21|コラム]
令和の米騒動
[写真:明治天皇御即位の際、大嘗祭に奉納される米をつくる田が卜占された「主基斎田」が鴨川市内にはある。
SP-100EE 4.30 mm ISO125 1/1600 sec f/3.2 ]
このところ、ずっとメディアを賑わせている、いわゆる「令和の米騒動」
昨年の今頃は確か5kg2,000円前後で購入できた米の値段が秋ごろから急上昇し、現在は4,000円前後。
場合によっては5,000円にも達しようという高騰ぶりだ。
米価の高騰が家計を直撃しているとして、政府も備蓄米の放出を行ったり、施策を講じているが、一向に解消される見込みは立たない。
ただ、誤解を恐れず申し上げれば、私は米価はむしろ適正な方向に向かったと思っている。
問題は当の生産者が恩恵をこうむっていないことだ。
米価がこれだけ高騰してきているのに、農家の取り分は相変わらず少ない。
これは農協や流通の仕組みに要因があり、わかりやすく言えば、中抜きをかなりされているということだ。
対して、農家は高い農機具を購入したり、レンタルしながら、長い時間をかけて稲作に務めているが、それだけ苦労して得られる収入は少なく、どう考えても大赤字である。農家の時給は数百円とも言われる。これでは、農家の担い手もどんどんいなくなるだろう。
以前は、物価の優等生とされた卵の価格が高騰して、話題な時期もあったが、いまではすっかり価格が定着した。
ガソリンも時にニュースにはなるが、ほぼ高止まり。
私が大学時代はレギュラー1L=70円台の時もあったが、いまではその倍以上だ。
一方、米価の高騰についてはずっと騒がれている。
日本人の主食である証なのかもしれないが、マスコミももう少し報道のアプローチを変えてほしい。
最近、ようやく農家の低収入について、報道が見られるようにはなってきたが。
大切なのは、政府は国民の所得・賃金上昇を図り、それにあわせて、物価の上昇も狙ってきているわけであるが、なんだか、そのトレンドに対して逆行した動きを感じてしまうし、長い目で見れば、農協や流通の仕組みを見直し、消費者には適正価格で、さらに農家の収入も上げていくことを考えるべきだ。
そして、現在の米価でも家計を圧迫しない、国民全体の所得向上を考えていかなければならない。
そうでなければ、いつまで経っても、日本はジリ貧の状態になってしまうだろう。
「令和の米騒動」をきっかけに、米価単体ではなく、今後の日本の社会経済のあり方、農作物の生産や流通の仕組みなど、もっと広い視野で物事を考え、有効な施策を考案、実施していきたいところである。
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- 25/05/22 07:40 by やまちゃん
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