[2025/10/04|街づくり]
市民の力
[写真:1,000人近くになるだろうか、大勢の人たちが集まった会場
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[写真:冒頭のYaeさんの歌
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午前中、弟と共に、花房区に鎮座する瀧口神社の例祭式を奉仕に伺う。
曇り空ではあったが、逆に過ごしやすい陽気で、氏子総代・役員の方々の参列の下、厳かに祭典を斎行した。
御神輿のほか、大きな山車も出される瀧口神社の祭礼。
いまかいまかと待ちわびた子どもたちも時折社殿の中をのぞきこみ、なんだか温かい光景であった。
祭典後には、地域の人たちが団結して行われるお祭りが集落の一つの柱であること、政府も地域の祭礼の継続を限界集落を判断する一つの指標に置いていることなどをお話しした。
夜は鴨川市文化体育館で急遽開催された、鴨川で建設が始まっているメガソーラー発電所の市民主催による説明会に参加した。
会場に到着すると、体育館前の駐車場はすでに満車。
陸上競技場の方まで誘導され、予想だにしない人出だった。
おそらく、1,000人近くは集まったのではないだろうか。
ここ最近、アルピニスト・野口健さんが鴨川の計画についてもSNS等で言及し、さらにフジテレビ、テレビ朝日の情報番組でも取り上げられたこともあり、それだけ市民が関心を持ち始めているということなのだろう。
多くの市民が自分事として考え、行動していけば、これは大きなうねりになるような気がする。
なんともうれしいことではないか。
この計画は2018年頃に端を発する。
突如、鴨川に降って湧いたメガソーラー計画。
東京ドーム23個分という広大な山林が造成され、樹木も40万本近くが伐採されるという。
設置されるソーラーパネルは40万枚以上。
全国でも最大規模の、過去に例を見ない計画だ。
この計画については、環境面、防災面、さまざまな問題が指摘されているが、私はシンプルに、東日本大震災の原発事故を受けて、持続可能なエコエネルギーの必要性が叫ばれる中で、太陽光発電も脚光を浴び、FIT法の制定もあって全国に広まっていったわけだが、そもそも森林を切り開いてまで発電所を造るなど、エコエネルギーとは到底言えないわけで、経済至上主義、拝金主義、利権のなにものでもないと思う。
その時点で構想はすでに破綻しているのだ。
ところが、行政は認可してしまった。
それがこの問題を複雑なものにしている。
想像力の欠如である。
2018年の計画発覚後から、市民での反対運動も起こり、市役所も事業者と協定を結んで、あくまでも環境に影響を与えない、安全な工事、責任のある管理・運営、そして、住民への説明会の実施などを求めており、計画は事実上ストップしていたはずだったが、FITの権利がその後転売されていったようで、行政の要望も反故にされ、いよいよ今年事業者は工事を強行し始めた。
まさに危機的な状況である。
メガソーラー問題は利権が複雑に絡んでいることもあり、行政や政治家もなかなか手を出しにくい側面があるらしいが、このところ、全国の他地域での問題を受けて、ようやくマスコミや政治家も動き始めつつある。
そのタイミングで、今回の説明会は開かれ、多くの市民が詰めかけることとなった。
ただ、内容は少々消化不良であった。
主催者もなるべく中立、中庸を、と気を遣ったのではないかと推察したが、市民の多くが関心のあった事業内容の説明というよりも、音楽・芸能の時間が多くとられていて、参加した人の多くが、なにを目的ににした会であったのか、なかなか理解がしづらかったのではないかと思われる。
開催に当たって、いろいろと配慮があったと思うのだが、もっとストレートにメガソーラー問題の内容を訴えて良かったのではないかと思う。
しかしながら、この説明会は本来は事業者そのものが行うべきものである。
その意味では、今回の主催者の方々を責めるのはお門違いだとも思う。
まずはとにかく多くの市民が強い関心を持っているということが示された、という事実が重要であり、この会をスタートとして、大きな動きに発展させていければと思う。
一筋縄ではいかない問題ではあるが、市民の力が、市・県・国を動かし、最終的には計画がストップされることを強く望みたい。
[WALK:6731]
- 25/10/06 15:04 by やまちゃん
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