[2018/05/08|街づくり]
自伐型林業が鴨川を、日本を変える。
朝から今日は鋸南町に伺って、6年ほど前に導入した議会中継システムのメンテナンス作業を行う。
実は導入後、久々の現場作業となったが、逆に言うと、ここまで大きなトラブルもなく稼働してきてくれているのがすばらしい。
つい最近、U-STREAMのサービス体系が変わったようで、かつてのように無料で配信できなくなってしまった。そこで今回、YouTubeのライブ配信に切り替えることとなった。
というわけで、YouTubeの配信設定などを行うことになった。
続いて、午後は大多喜町にある旧老川小学校へ。
大山で農業を柱に“さとづくり”の活動を地道に展開している林良樹さんのお誘いもあり、自伐型林業の交流会(セミナー)に参加させていただいた。
午後2時から5時まで、前半は自伐型林業を推進する、林業のエキスパート・中嶋健造さんの講演を聴き、後半は参加者で自己紹介がてら意見交換を行った。
その後は別部屋にて1時間半程度の懇親会。
正直言って、行って良かったし、久々に刺激的な時間だった。
もう林業に対する考え方が180度転換した。
「自伐型林業」という言葉自体、まだまだ聞き慣れない人が多いと思うが(かく言う私もその一人)、簡単に言ってしまうと、自分の所有する山林を自分で管理し林業を営む、というスタイルである。
森林を更新するスパンは150〜200年。2.5m幅の作業道整備(高密度路網整備)を森林に施した後、適正な間伐を行いつつ、長い時間をかけて木材を生産していくというもので、持続的な森林保全につながるほか、実は一般的に行われている皆伐型林業(一定の年数が経った森林を一気に伐採する。現在では“50年皆伐”が主流)よりも極めて高い収益性を得ることができる、一挙両得な手法である。
さらに導入コストも安い。3tユンボと軽トラ、チェーンソーを最低限揃えれば始められ、400万円くらいの初期投資で済む。そこは補助制度などを利用することで負担を軽減することもできる。
その収益性には目を見張るものがあり、なんと年収1,000万円を超える自伐型林業家もいるというのだ。また、長いスパンでの営業となるので、世代をまたいだ家業としても成立する。
それに対して、いま一般的に行われている林業は師に言わせると林業ではなく、「伐採業」であり、その伐採手法によって場合によっては森林破壊だけでなく、大規模な土砂災害も発生している事例もあるのだという。
また、50年で皆伐してしまったら、実はそれからが木の価値が高まるところを、自らその価値を捨て去り、本来A材に育つであろう木材をB・C材で安く流通させ、林業関係者自らの首を締めてしまっているとも指摘されていた。
林業というと、衰退産業というイメージをもっていたが、とんでもない!
今日のお話を聞いたら、いままでもはや何も生み出さない、お荷物とさえ思われてきた山林が宝の山に思え始めた。
実際、そうした実績を積み上げてきているから、これは夢物語でも絵に描いた餅でもなく、現実的にできることなのである。
鴨川市の山林率は7割以上。
天津小湊地区に至っては8割以上にも上る。
林業関係者の高齢化により、森林組合も維持が難しくなってきていると思われるし、山も手つかずの状態となり、荒れ果てる一方である。
だが、自伐型林業に対する正しい見識を広め、取り組む人たちが増えていったら、間違いなく鴨川の山々は復活し、そればかりか財を生み出す宝の山になることだろう。
鴨川にビジネスとして成り立つ、しかも持続的に、永続的に長いスパンで成り立つ産業が生み出されるのである。
これは結果的に人口対策にもなるかもしれない。
そう考えただけで、もう興奮してしまった!
ぜひ鴨川で推進したい。
そのために鴨川の仲間で今後の作戦会議。
まずは鴨川でも同様のセミナーなどを開催しようということになった。
地方創生を推進する国も、その鍵は林業にあると明言している。
もしかすると、林業の手法自体が違っているかもしれないが、しかし、林業、山林に注目している点では方向性は同じである。
自伐型林業は鴨川を、さらには日本を変えることになると、今日は確信する時間となった。
[WALK:1417]
- 18/05/09 19:44 by やまちゃん
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