[2008/04/14|Walkins] 鴨川、街づくりのキーワード

私はかっぺの第一線から退く頃より、次世代の産業というものを考え、「ホスピタリティ=癒し、もてなし」をテーマに、医療・福祉、新しい農業(一次産業)、新しい観光の3つをあげてきた。

鴨川市を考えたとき、医療・福祉はかなり充実していると言える。亀田病院という巨大な病院があり、市民は高度な医療を受けることができる。また、市内には高齢者向けのケアサービスやターミナルケア施設も増えてきた。
続いて、新しい農業という点で言えば、みんなみの里や大山千枚田の人たちがいち早く取り組み、一定の成果を上げてきている。

では、観光はどうか?
というと、こちらは盛んではあるが、形態は旧来の観光である。
私の言う、新しい観光にチャレンジしている例は少ない。

というわけで、私は観光に注目してきた。
なんとかして、鴨川市、南房総地域に旧来の観光にアドオンした、新しい観光スタイルというものを確立し、世に提起していきたいと考えてきた。

そんな中で生まれてきたのが歩く(=動く)案内所、「Walk`ins」プロジェクトなのだが、だが、忙しい毎日の中でなかなか積極的には動けていなかった(反省)。
ところが、ここへ来て、おもしろいように鴨川市の観光に関わるようになってきた。否、関わらざるを得ない状況になってきている。
この数週間で観光に携わるいろいろな人たちと出会い、つながってきた。
この流れは私自身もある意味気味が悪いほどだ。
ただ、一点確認できることがある、自分が観光に着目し、考えていたアイディアの方向性は決して間違っていないということだ。

さて、観光は街づくりであり、もっと言えば人づくりである。
ハードが充実しても、ソフトが貧弱では意味をなさない。
いかにその地域に対するファンをつくり、リピーターになってもらうか、ということを考えれば、自ずから重視すべきところは決まってくる。
いくら豪華なリゾート施設があったところで、そこに住む住民の「もてなし」の意識が低ければ、観光客は二度とはやってこない。

鴨川市は歴史的に見ても、さまざまな町村が合併して現在の体をなしている。
鴨川市が一体かというと、私は実際にはそうでないと思う。
いまだに地域間の変な争いはあるし、横のつながりが希薄で、みんながバラバラに活動している印象を受ける。
現に私も鴨川で活躍している人たちのことをあまり知らない。知ろうとしてこなかった私にも問題があるのだが...

いま鴨川市に必要なのは「合言葉」であると思う。
市民が共有する理念であろう。
鴨川市を将来にわたって、どのような都市にしていきたいのか。
どんな鴨川を子や孫に残していきたいのか。
市民みんなが共通の意識をもって、自分の活動に当たっていく、ということが大切である。
「合言葉」があれば、市民同士の相乗効果が生まれてくるし、一体感が出てくる。
夢のある鴨川市になるような気がする。
それに観光客も魅力を感じるはずである。

では、「合言葉」はなにか? を考えたとき、私は“鴨川”をブランドにするという方向を導き出した。
かっこう良く言えば、“KAMOGAWA BRANDING”である。
これは別にハード面にお金をつぎ込み高級感を演出するということではなく、ソフト面(人、雰囲気)を一流にしていきたい、日本に誇れる鴨川にしていきたい。それを市民全員で作り上げたいということである。

そこでキーワードになってくるのは、新時代における田舎の役割、である。
私が「いなかっぺ」や「かっぺ」という会社を営んでいるということもあるが、21世紀は確実に「田舎」の時代になる。
物質的・経済的には恵まれても、それだけでは決して本当に豊かな生活を営むことはできない、ということを日本人、もっと言えば世界の多くの人たちが気づきつつある。
いかに自然と共生して生きるか、本当に人間らしく生きるか。
そういったことがこれからのテーマになってくる。
そこで、人間の営みの原点がある「田舎」というものが注目されてくるのである。

今後の街づくりは都市追随型から脱却しなければならない。
むしろ、新しい「田舎」のあり方を提起していくことが重要な役割となり、時代の先駆を担っていくことになるのである。
かつてあるプロジェクトで掲げた「新田舎宣言!」というキャッチフレーズが日の目を見るタイミングがやってきている。
「行きたい街から、住みたい街へ」
「田舎」が主役になる時代がやってきた。

鴨川、南房総における産業振興、観光振興といったものを考えたとき、いろいろとアイディアはある。
今日はこのへんにしておいて、今後、詳しく述べていきたい。

乞うご期待?


[WALK:3325]
- 20/05/30 12:48 by やまちゃん
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