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[2017/06/02] まちづくりの三要素で唯一私が否定するもの /

平成29/皇紀2677年5月8日 赤口 | 2017/06/04 09:23 更新
鴨川市は3月に市長が代わり、いろいろと伝え聞く話によると、これまでの事業について抜本的な見直しが図られているそうだ。市役所職員もその対応で連日かなりたいへんなことになっているとのこと。
いろいろな意味で“まちづくり”とはなにか、ということを考える節目となっている。

よくまちづくりを推進する3つの“モノ”として、ワカモノ・バカモノ・ヨソモノがあげられる。
ワカモノとは次代を担う若い世代であり、彼らの活躍なくして、未来の地域を開いていくことはできない。
バカモノとはこれまでの常識の枠組みを突き破って、斬新な発想と強い行動力で事業を企画立案し、さらに遂行していくというパワーをもった人。私も大馬鹿野郎だと自分で思っている(笑)
ヨソモノとは元々地元で生まれ育った人とは違った視点を持ち、まちづくりに刺激を与えていく人ということだと思う。

ただ、私が素直に賛成できないのはヨソモノだ。
そこには一つの条件がついてくると思う。
一言で言うならば「地域に骨を埋める覚悟があるヨソモノ」ということだ。それがなければ、ヨソモノはまちづくりにおいてはプラスにはならないと思う。
簡単に言ってしまえば、地域に対する責任が伴わないからだ。嫌になれば地域から簡単に出て行ってしまう、では、大切なまちづくりを委ねることはできない。

観光やまちづくりについて講演させていただく機会もあるのだが、そこで必ず申し上げることは、まちづくりの主役はその土地に住む人たちであるということ。
偉い大学の先生やコンサルタントたちを呼んできてまちづくりを行ったところで、その多くは実効性の薄い、絵に描いた餅で終わってしまうことが多い。
その土地にはその土地なりのまちづくりがあるはずだ。

以前、千葉大学で起業論入門の講義をさせてもらった時に伝えたことは、成功本など読むな!ということ。
実際のところ、成功には理由はないのだ。成功の理由などほとんどの場合後付けであり、とにかく毎日一生懸命やっていたらいつの間にかうまく行っていた、はて、なぜそうなったんだろう?と振り返って書かれたものがほとんどであると思う。
その証拠に成功本の内容を忠実に真似て実行したとしたら、本当に成功するだろうか。答えは否である。

成功例となっている時点で、それはもう過去のものであり、それを真似たからといって、成功する保証など皆無なのだ。

ところが、鴨川市も例外なく、まちづくりにコンサルタントを入れて、何百万円、へたをすれば、何千万円という予算をつぎ込み、計画を立案している事業が多く見られる。
その多くが絵に描いた餅で終わり、計画を立てるためだけの事業になってしまっている。そこにとんでもない予算がつぎ込まれているのだから、私から言わせれば税金の無駄遣いのなにものでもない。
コンサルタントの多くは他の地域の成功事例を引き合いにして、それを鴨川でも……のような提案をしてくるが、それは成功本と同じ原理で、そんなのを真似たところでうまくいくはずがない。
しかし、行政は責任をなるべく回避し、失敗したくないという体質があるため、コンサルタントの提案を鵜呑みにしてしまう。

一言で言えば、行政も民間も、ノービジョン、ノーアイディア、ノープランだから、一見権威のあるコンサルタントに依存してしまうのだ。

コンサルタントは確かに知識はあるのかもしれない。
しかし、決定的に欠けているのは、地域への深い理解である。これは一朝一夕に生まれるものではない。その土地に骨を埋める覚悟くらいの強い気持ちがなければ、深い理解など生まれるはずもない。
いわゆる結局は“無責任なヨソモノ”に過ぎないのである。

私は大学4年の時に起業し、約7年にわたり経営の最前線に立ってきたが、その経験から言うならば、まずは自分自身が考えること、他を頼るのではなく、自分たちで知恵を絞り、汗水を垂らして、そして、他ではやったことのない新しいことに恐れずにチャレンジすることだと思う。
それが成功への一つの道とも言えるのではないだろうか。

地域に責任ももたない、権威を振りかざし、結局は地域に根ざすこともなく、実効性も中身もない計画しか生み出さないコンサルタントに予算を費やすなら、その土地に骨を埋める覚悟で不器用ながらも必死になって考え、自ら汗水を垂らし、行動する人たちをサポートしてほしいと思う。

2008年のかもナビ立ち上げを皮切りに、約10年間、鴨川のまちづくりに取り組んできた私はそのように強く思う。


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いつも私の拙い日記にお付き合い、ありがとうございます。
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